ネット上にこのような記事がアップされていました。
この「日本人の6人に1人は偏差値40以下」という見出しを見て、
みなさんはどのように思うでしょうか?
「日本人はそんなに頭が悪いのか」
と思ってしまった方もいるかもしれません。
しかしそう思ってしまった方は、実は要注意です。
この見出し、「偏差値」という所がポイントです。
学生時代にはさんざん「偏差値」という言葉を聞いた覚えが
あるかもしれませんが、今ではなかなか聞かないと思います。
どういう数値なのか、忘れてしまっている方もいると思います。
偏差値とは、平均点の人を基準として50にして、
そこからどれくらいの差があるかを表した数値です。
つまり相対的な物にすぎません。
だから「6人に1人は偏差値40以下」というのは、
実は驚くべきことでも何でもなく、当然のことなのです。
この事は記事本文内にも書かれています。
これらの結果は衝撃的だが、学力(偏差値)がベルカーブになることを考えれば当たり前でもある。
正規分布では、平均(偏差値50)から1標準偏差離れた、偏差値40~60の範囲に68・3%の事象が収まる。2標準偏差離れた偏差値60~70と30~40はそれぞれ13・6%、3標準偏差離れた偏差値70~80と20~30はそれぞれ2・15%だ。
つまりこの記事を書いた人は、偏差値について分かっているわけです。
しかし見出しを見た人の中には、上に書いたように
誤解した印象を受けてしまう人もいるでしょう。
これなどはまさに「文章を切り抜いて特定の結論に誘導する」
見出し詐欺の典型的手法だと言っていいでしょう。
ネット記事は読んでもらえないと意味がありません。
そのため見出しにはセンセーショナルな言葉が
どうしても並んでしまいます。
だからこそ見出しだけでは無く本文をちゃんと読んで、
それから内容について考えないとなりません。